アイクロはアイドルゲーム史に名を刻めるか

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ニコ生でダンスボーカルユニットi☆Risに興味を持ち、彼女たちの楽曲がプリパラなるアニメと密接な関係にあることを知るわけですが、そのプリパラ自体は元々トレーディングカードのアーケード筐体ゲームがスタートで、更に言えばプリパラの前身にプリティーリズムがあって・・と歴史のあるものなのでした。
 
何も知らない人向けに説明すれば上のような文章になりますが、その実まとめブログ界隈で”プリパラおじさん”なるキーワードは目にしていたし、グッスマのニコ生放送*1で女子社員を中心にファンが多いのを見て、これは大人がハマる要素もあるのだなぁと気になっていた・・という感じです。
 
ゲームのプリパラが人気なのはリカちゃん人形から脈々と受け継がれた着せ替えが楽しめる点で、自身がコーディネイトしたキャラクターが画面上でステップを刻む音ゲーが出来、遊んだ直後にプレーヤーの顔写真を名刺代わりに取り込んだ、服装も反映されたキャラクターのカードがオンデマンド印刷で排出されます。
さらにはトモチケなるオマケのカードで交流ができ、貰ったデータの女の子はバックダンサーで一緒に躍らせることが出来て、ハマっている子は皆カードフォルダーを持ち歩くというキャラクターのコーディネート的にもプレイ仲間的にもコレクション要素が強いゲームなのです。
 
 
そんな知識を持ってしばらくした頃、ニコ生のザッピングで見かけたのがアイクロ=アイドルクロニクル*2の番組なのでした。
着せ替えのシーンが目につき、ああプリパラみたいなゲームかぁと思ったのですが、スマホゲーな上に放送時刻が深夜で、これは子供向けのゲームじゃないということに気付きます。
アイドル育成のタッチパッドな音ゲー自体は既に沢山出ていて、差別化を持たせた後発タイトルといった第一印象だったのですが、プレイ動画で流れた音ゲーのメインストリームからハズレるR&Bな楽曲*3を聴いて遊んでみようと突き動かされたのでした。
 
上でプレイ動画と書きましたが、これはスタッフとかでなく一般の方のプレイ動画で、自身のプレイ動画を動画サイトに上げることが出来るのがゲームの大きな特徴の1つになっています。
アイクロでは”見せびらかし”というキーワードをプッシュしているのですが、自身がコーディネートした衣装で踊る女の子たちを、自身のプレイ動画で見せるという2重の見せびらかし要素があるわけで、正直いいとこ突くなぁと思わされました。

 

 

上記リンクは自分のプレイ動画ですが、ソーシャルにとても力を入れていることが伺えます。
プレーヤーはスタート時に録画をするか否かの選択が可能で、"する"を選択すると終了後に動画を保存するかどうかを聞かれます。
保存を選ぶとカヤック*4が運営するLobi*5にアップが開始されます。
アップされた動画にはプレイ環境のタグ*6が自動で付けられ、自身が紐付けしたYouTubeTwitterFacebookなどにもリンク付けができます。
 
Lobiには膨大なスマホゲーム別にチャット&ゲームコミュニティがあるのですが、アイクロ*7だと各種公認チャットに加え”ファッションチェック”、”動画投稿"というコミュニティがあります。
動画投稿は先に触れましたが、ファッションチェックでは自身がコーディネートしたキャラクターのスクリーンショットを上げることが出来るわけです。
しかも月1の公式番組ではコーナーの合間にプレーヤーが上げた動画が使われ出演する声優の3人がコメントを寄せたり、上記コミュニティから ベストなコーディネートを選ぶコーナーがあったりという繋がり具合も魅力的だと思います。
 
 
当方音ゲー自体はプレイステーション時代にパラッパラッパーをやり、ごっそりと間が抜けてスマホでクロスビーツを少し、音楽が好きなペルソナのダンスゲームをVITA共々予約〜というのが近況で経験値は高くないのですが、アイクロ自体はどちらかと言えば簡単な部類の音ゲーではないかと思っています。
もちろん難易度設定は4段階あってHardやVery Hardはとても難しそうなのですが、ゲームの楽しみ方のベクトルは難易度の高いプレイを高い精度でクリアすることに向いていないのです。
 
難易度はあくまで自身のレベルに相応なものを選べばよいだけで、無理して高い難易度を選んでもスタミナ消費が高くなるだけで報酬などには大きく影響しません。
大事なのはあくまで回数をこなすことで、回数に応じて経験値がたまり、それによってキャラクターのレベルやアイドルランクが上がって、より上位の難易度や新しい楽曲、新しいコーディネート箇所が開放され、果てはキャラクターのダンス自体がより凝ったものになるという仕組みなのです。
 
登場するキャラクターは今のところ3人だけなのですが、それぞれに固有のダンサーモデルが付いているようでモーションキャプチャーが反映された動きには三者三様の個性が見受けられます。
しかもレベルを上げることでダンス自体もターンやアクセントなどより複雑な動きになるので、ただプレイするだけでなく録画しながら見比べていく楽しみもあるわけです。
 
 

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コーディネートはトップス、ボトムス、シューズのメイン3箇所とヘッド、フェイス、バックという小物3箇所で、ゲームを進めていくことで髪型も追加されるようです。
メインの3箇所は1着手に入れれば3人に反映されるのですが小物の方は個別で必要で、例えば3人に同じ帽子を付けるなら3個の入手が必要となります。
初期のアイテム枠は80でいっぱいになったら枠を買い足して行く形ですが、課金ガチャをそれほどしなければログインボーナス等で貰えるハピフルスタ*8で補えるレベルとなっています。
ガチャは様々でレア度設定は6種類、このうち最高位URのメイン3箇所だけは課金することでしか手に入らない仕様です。
 
もちろんレア度の高い衣装のほうが凝ったデザインのものが多いですしパラメータ的にも優れていますが、コーディネートの妙を楽しむ側面が強いので必須だとかいったことはありません。
衣装自体は各種メディアとのコラボで入手できるものもあり*9、アイクロ名義のCDにもアクセサリーのコードが付いていたりします。
 
 
最初の印象で自分はこのゲームを大人向けと書きましたが、実際にプレイしてみてその印象が少し変わってきています。
課金を前提にした楽しみ方だったり収入面を鑑みればターゲット層は大人だと思うのですが、衣装のデザイン自体はエロ要素が排除されており、ミニスカートの下などはホットパンツという感じなのです。
ですから今は大人層に向けたプロモーションがメインとなっていますが、ゲーム自体は小さなお子さんにも安心してプレイしてもらえますし、それこそプリパラのようなアーケード筐体展開や土日の早い時間のアニメ展開も可能だと思います。
 
楽曲数やキャラクター自体は正直少ないのでそこが合わないと楽しめない人もいるかと思いますが、キャラクターは個性がはっきりと差別化されていますし、楽曲も非常にねりこまれています。
 既存のルーティンに陥ること無く、プレーヤーとのコミュニケーションを密に取りながら柔軟にアップデートを繰り返し、スマホでの基本無料というゲーム枠を大きく超える試み*10を見るにアイクロからはスタッフの本気度を感じるし、後発のタイトルながらすべての世代のアイドル好きにプレイしてもらいたいと思うのでした。
 
 

 

アイドルクロニクル ユニットソングシリーズ『誓いのビジョン』~RURIver~

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今がいつかになる頃に

今がいつかになる頃に

 

 

*1:ねんどろいどなどで有名なグッドスマイルカンパニーが行う製品紹介のニコ生番組。かほたん放送局というタイトルでおよそ月1で行われている

*2:http://ichro.jp/index.html

*3:3人の中のひとり京極瑠璃役の遠藤ゆりかさんが歌うソロ曲「今がいつかになる頃に」

*4:http://www.kayac.com/service/net/713

*5:https://web.lobi.co

*6:自分の動画だとセンターの女の子、楽曲、参加イベント+難易度、プレイの評価、プレイ自体の難易度など

*7:https://web.lobi.co/game/aichro

*8:課金アイテムですが連続ログインや突破報酬などでも定期的に貰えるようになっています

*9:ヤングエースにて長門有希ちゃんの消失との2号連続コラボ

*10:現在MVモードなる大型アップデートを準備中。音ゲーを行うのではなくプレーヤーがクリアした範囲の素材を使ってライブ会場や曲、3人の衣装選択から、果てはビデオ編集者目線でカメラ割りや特殊効果、カットインなどが行えるという機能。